症例)股関節に痛みのある方②

股関節の痛みがあり来院された患者さん。
生まれつき先天性股関節脱臼があり、
痛みも強いのですがまだ手術はしたくなくてご相談に来られました。

関節の働きと先天性股関節脱臼

ここで関節の働きと
先天性股関節脱臼がどういう状態かを少し説明します。

関節とは骨と骨のつなぎ目にあたる部分で、
関節ががあるおかげで様々な身体の動きができます。(曲げたり伸ばしたり捻ったり)
関節は凹凸の関係にあります。
受け皿とそれにはまり込む様な突起でできています。

股関節は骨盤と太ももの骨の間で、この二つを繋いでいます。
股関節の受け皿側(凹)は骨盤で、突起の部分(凸)は太腿の骨です。

先天性股関節脱臼は
生まれつき受け皿側である骨盤が浅く、
関節がしっかりとはまっていない状態で普通の股関節に比べ不安定な状態にあります。

痛みを取るのに医療の現場で行われているのは人工の股関節を手術でつける方法です。
この患者さんも手術以外に関節を治す方法はないと思っておられました。
ですが、何とか動けるぐらいに痛みが治まってほしいと手術ではなく施術を受けることを選択されました。

施術で出来ることは

施術で骨盤の骨のはまり具合を深くすることはできませんが、
関節の負担となっている他の原因を明らかにして、
関節の痛みを少なくすることで日常の生活での動きやすさをお手伝いできると思っています。
痛くない動き方や筋力強化(体幹や骨盤周囲のインナーマッスル)をお伝えする事でもサポートできます。

施術でおこなったのは

この方はかなり大きな、車での事故の経験があったので、それが股関節の痛みの一因だと考えました。
事故の衝撃を背骨から骨盤で受けていました。
骨盤は元々弱点だったため股関節の悪化に繋がったようです。

他にも、精神的ストレスがお腹を固くして、
内臓に影響を及ぼすことがあります。
内臓は骨盤というお皿が受けとめているのでお腹の固さも骨盤に影響します。

先天性股関節脱臼という生まれつき股関節の状態は不安定であったとしても、
痛みなど症状が出ない人も中にはいます。
この方の場合は、
生まれつきの股関節の状態がこの年齢で悪化したというよりも、
事故による体への衝撃や影響がずっと残っていて、
巡り巡って股関節の痛みとなって表れた、そんな流れのようでした。

今回の施術は

事故による背骨、骨盤の歪みの調整がメインの施術となり、
股関節に対しては体重がうまく乗るように調整させてもらいました。

施術が終わってすぐ歩き方が変わり、痛みもかなり軽減したようです。
痛い部分よりも、その痛みを起こしている背景を明らかにして、
本来の動きや働きを制限しているものを取っていくことで、ご本人も体感できるほど改善したようでした。

施術前とは全く違う、晴れやかな表情で
「こんなに変わるなんて思ってなかった!とても嬉しいです!」と言ってもらえました。
嬉しそうな希望に満ちたお顔をみることがこの仕事をしていて1番嬉しい瞬間ですね。

事故による体への影響の大きさから、
定期的に通っていただいて身体の状態に合わせた施術を続けてくのをおすすめして継続的なケアをさせてもらっています。

施術が選択肢の一つに

生まれつきある身体の特徴や関節の変形など、
どうしようもなく手術しか選択肢がないと思われている方も多いと思います。
でも、それ以外にもできることは残されています。

関節の変形は、元々あるもののではありません。
人間は日々動き、その動きの癖や過度の重さが乗り、
その蓄積で少しずつ変化していきます。
年齢を重ねたから…老化だから…と決めつけてしまう前に、他の選択肢を一緒に探してみましょう。

お困りの方はぜひご連絡ください。