症例)足指先のしびれから全身をみる

今日は症例紹介です。

「お身体の悩みを部分で見ず、全体的に捉えて整理していく」
それってどういうことなの?ってところや、実際患者さんはどう感じているのか、そのあたりに触れていきます。

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リピーターさん60代の方
右足の指一本、さきっぽだけしびれるような変な感じが続いているそう。
ほんの少しの範囲だし、痛くて動けないわけではないけど、なんか気持ち悪いのがいつもある。
病院に行くにしても何科にいけばいいのか分からないし、違和感はあるけどめちゃくちゃ痛いわけでもないから、とお話してくれました。
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足の指先が…ということで、まず考えたのは腰の状態はどうなってるかな?でした。
でも腰の問題が指先だけに出るのはそうそうないですし、実際に足を見せてもらうと少しぷくっと丸くなっているようで、これはむくみかな?と思いました。

最近ケガをしてないか、
他に痺れるところはないか、
冷えはないか、
腰のゆがみや安定性など状態はどうか、
いくつかチェックしていき、足の指先だけに症状が出ていることも考慮してむくみの可能性が大きいのでここをスタート地点にして施術しますねとお伝えしました。

施術での身体の見方


リピーターさんなので、お身体の状態は何度も見せてもらっています。
はじめて来院された時のご相談は膝の痛みでした。
そしてその膝の痛みは膝関節の問題ではなく、右側の鎖骨のあたり、胸郭上口から来ていると検討して施術を続けているところです。
少しイメージしてもらうと、
右肩をぐっと床に向けて下げた状態で立った場合、足への体重の乗り方は通常時と違いますよね。
その時に首がピンと伸びていたり、右の脇腹が窮屈になったりします。
こうして右肩から始まった変化はいろんな場所に影響を与えていきます。

身体の中はすべてが繋がっている

膝と右の鎖骨は、部位としては離れていますがつながりを持ち、起こった症状の根っこになっています。
身体の中には結合組織という、それぞれの器官や組織の隙間を埋めて結びつける役割があります。
「膜」と呼ばれる組織が身体のなかに四方八方に巡らされています。
薄い半透明の膜の中には毛細血管や神経組織も通っているため、この膜がねじれたり固くなったりすると血流や神経の伝達にも影響があるわけです。
膜は途切れることなく連結し、繋がっているため鎖骨辺りから始まり、膝の痛みに繋がったようでした。


そして、むくみをとる施術を行うために隔膜を調整します。
隔膜は身体の中を横断している膜で、横隔膜は皆さんも聞いたことがありますよね。
呼吸において重要な膜ですし、焼肉で言うとハラミです。
この隔膜は体内の水の動きと関わるため、むくみには大事なポイントとなります。
隔膜の固さや動きを調整して、さらに元を辿っていくと見えてきたのは右肩でした。

意外な場所に原因が隠れています。

そうしたわけで特に今回注意深く施術したのは、肩でした。
説明させてもらっているなかで、患者さん本人もなにか納得できる部分があったようでした。
施術後に立った状態で姿勢のチェックや感覚の確認をしたところ、施術前とは違っていたようです。
なにより、「話をきいてくれた」とおっしゃっていました。


小さなことや、ほんの少しの違和感でも、ご本人からすると大きな違和感となりますよね。
でもなかなか人にはわかってもらえないこともあります。
ケガをしたのとも違うし、動けないってわけでもなければ家族が心配してくれることも少なかったりしますしね。


施術は今後も継続していきますが、モヤモヤしたものが晴れて先が見通せるとスッキリした気持ちになり、大丈夫って楽観的に捉えることもできると思います。
僕のわかる範囲での説明ですが、お役に立てたならよかったです。
今後も、小さなことでもご相談頂けたらと思います。